グリッドトレードとは「相場に対し等間隔の値幅でポジションを保有する戦略」のことで、
金融商品によっては、ある一定の値幅で上下動を繰り返しているものがあり、そのような金融商品を等間隔の値幅で売買、一定の利益を到達したところで決済するトレードの事を言います。
これは、通貨ペア数、設定するトラップが増えてくると、手動で仕掛けるのは大変面倒です。
なので、自動で仕掛けと決済をしてくれるサービスがいくつかあります。
FXでは以下のサービスが有名です。
マネースクエア・ジャパン「トラリピ」
イヴァンスト証券「トライオートFX」
アイネット証券「ループイフダン」
それ以外にも、MT4を利用できるFX会社であれば、自動売買プログラム「千刻」を利用することで、手軽にグリッドトレードを実現することが出来ます。
目次
グリッドトレードの良い所と悪い所
グリッドトレードの良い所は、レンジ幅を想定した証拠金を差し入れて動作を開始させてしまえば、売買対象の商品の値段が上がるとか下がるとかを特に気にする必要がないところです。
これは、サラリーマンなどの日中忙しい兼業投資家には非常に大きいメリットになるでしょう。
仕事中に上がる下がるを予想したり、大きいポジションを持ってしまい逆行しないか、そわそわし続けるのは本業にも差し障りが出ますよね。私は出ました。(;'∀')
ですが、グリッドトレードであれば、想定レンジ内から逸脱しない限りは、逆行でポジションが増えたとしても、それは次の決済に繋がるチャンスです。
一定レベルのレンジ内を上下することで、その設定したグリッドトレードは常に小銭を稼ぎ続けてくれます。
ポジションが増えるという事は、含み損が増えるということ。
これは、グリッドトレードの悪い所でもあります。
特に、グリッドトレードを開始した最初の数か月は進む決済より含み損の方が多く、プラス圏に浮上しないでしょう。辛抱の時です。
さらには、持つポジションによってはマイナススワップに付き纏われることになります。
しかし、このマイナススワップも週1回でも決済があれば相殺されて御釣りが来るものです。
含み損ポジションは常に発生する。マイナススワップを気にしてはいけない。
この点が理解できないと、グリッドトレードを心安らかに運用することはできません。
必要とされる証拠金の額

上の図は、ドル円のここ10年程度の推移を若干デフォルメしたものです。
この図では、買いポジションのみを建て、上昇に合わせて決済を重ねていくという割と綺麗な感じになっています。
が、最後の方で相場が下落するに従って、買いポジションが2つばかり残っているのが分かるかと思います。
もし、これがこの図の下限である75円まで一気に下がったら?
リーマンショックやコロナショックのような為替市場が一方向に大きく進んでしまうイベントが発生したら?
十分あり得る話です。
最悪を想定して、最大いくら迄損失(ドローダウン:DD)が膨らむのかを検討しておかないと、ロスカットが掛かってその損失は本物になってしまいます。
私のグリッドトレード運用設定では、例えばドル円は75円~135円を想定していますので、仮に1ポジション1,000通貨、10銭幅でトラップを仕掛けていた場合・・・
135円-75円=60円幅
60円/0.1=600ポジション
平均建値は105円になるので、1通貨¥30のマイナス
¥30×1,000=¥30,000が1ポジション当たりの損失
600×¥30,000=¥18,000,000
¥18,000,000
の証拠金が最悪の場合必要に!!!
いっせんはっぴゃくまん・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
1円刻みのグリッドだとしても、単純に180万円の証拠金が必要になってきます。
ハーフ&ハーフで証拠金を抑える

買いのみで入った場合、最大ドローダウンが大きくなる可能性があると判りましたが、それを抑える手法があります。
それが、ハーフ&ハーフ!
上の図のように、60円幅で想定しているレンジを2分割し、上側は売建て、下側は買建てとすることで、最大保有ポジションを半分となり、さらに、平均建値はそれぞれのハーフの中で計算されますから、1ポジションの平均損失額も半分!
買のみに比べて最大ドローダウンがなんと1/4に!!!
135円-105円=30円幅
30円/0.1=300ポジション
平均建値は120円になるので、1通貨¥15のマイナス
¥15×1,000=¥15,000が1ポジション当たりの損失
300×¥15,000=¥4,500,000
¥4,500,000
1円刻みのグリッドにした場合、45万円の証拠金で済むので、ぐっとお得な感じになりますね。
ただし、買ハーフの場合は価格が下抜けしたとき、売ハーフの場合は価格が上抜けしたときに資金がショートする可能性がありますので、その辺は注意と検証が必要です。
要素が利益に与える影響
1円刻みのグリッドで証拠金が45万円とお得っぽい事は分かったけれども、利益も減るんじゃないか?
単純割りだと1/10だけど、もっと減りそうな気もする・・・
そんな疑問は、MT4とEA「千刻」を使うことで、過去の値動きから検証することが出来ます。
2017年頭~2020年6月末までのデータで試験をしてみたところ・・・
トラップ幅が利益に与える影響
パターン① | パターン② | |
トラップ幅 | 10pips | 100pips |
スプレッド | 0.8pips | 0.8pips |
決済幅 | 90pips | 90pips |
決済回数 | 1507回 | 153回 |
利益 | 1,318,735円 | 132,247円 |
といった具合に、10対1に収まっていることが分かります。
なので、設定出来るトラップ幅で始めるのが吉です。
トラップ幅の設定で利益率は変わりません
スプレッドが利益に与える影響
パターン① | パターン② | |
トラップ幅 | 10pips | 10pips |
スプレッド | 0.8pips | 3pips |
決済幅 | 90pips | 90pips |
決済回数 | 1,507回 | 1,485回 |
利益 | 1,318,735円 | 1,297,444円 |
トラリピのマネースクウェアは、決済手数料が廃止、スプレッドの縮小などが競争の中で行われていますが、ドル円についても未だに3pips程度と高めに設定されています。
(他のFX業者では高くても1pips、安いと0.3pips程度)
上の表を見ていただければわかると思いますが、バックテスト36ヵ月の中で決済回数の差はたった20回、利益差も2万円なので、もはやこれは誤差。
冷静に考えれば、設定した値でしか購入と決済がされないし、大体のケースで3pips差なんてすぐに突き抜けるので、設定した値に届かずに購入/決済されないことがあるかも?くらいの差でしか無いことが分かります。
手数料貧乏とかなかったんや・・・(;^_^A
スプレッド、基本影響なし
決済幅が利益に与える影響
パターン① | パターン② | |
トラップ幅 | 10pips | 10pips |
スプレッド | 0.8pips | 0.8pips |
決済幅 | 10pips | 90pips |
決済回数 | 5,782回 | 1,507回 |
利益 | 618,891円 | 1,318,735円 |
一目瞭然ですが、決済幅10pipsより90pipsの方が利益は倍になります。
現在検証中ですが、200pips,500pipsと利益は上昇傾向です。しかし、1000pipsまで行くと・・・流石に・・・それでも10pips幅よりは多いか・・・
といった具合です。
グリッドトレードの決済幅を一日の平均的な値動きから求めるATRという指標もありますが、このバックテストの結果だけを見ると、それほど検証する意味があるのかな?というのが正直なところです。
ただ、そこまで決済幅を大きくすると、数年スパンの決済になる可能性もあり、スワップの影響も大きくなってくるはずなので、今後も検証したいと思います。
まとめ
- ハーフ&ハーフのトラップで必要証拠金を低減
- 最大ドローダウンを計算して、用意できる証拠金にあったグリッドを構築する
- スプレッドは利益に大した影響を与えないので気にしない
- 決済幅は大きいほど良いらしい(限度はある)
以上のことがお判りいただけたかと思います。
なので、特段の要求がなければ設定がそれなりに細かくでき、検証ツールもあるマネースクウェアのトラリピでグリッドトレードを構築するのが良いのではないか?
ということがこのページの結論にはなります。
でも、私はそんな運用をしていないので、現在使っている口座などの情報については、また別に紹介していきたいと思います。
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